《ノチウォカント : 星のある空》

ノチウォカントとは「星のある空」というアイヌのことば。空には雲があり、その上に星があり、その上は何もなく、さらにその上に神々の世界が広がっている・・・そんな壮大な空の下、北海道にはどんな風景と星空が広がっているのでしょうか。
北海道の秋の時間はとても短く、そこには夏の名残と秋の彩りと近づく冬の冷たさが同時に存在しています。夜の時間も長くなり、見上げる星空にも季節の移ろいが感じ取れます。西の空には夏の大三角が輝き、真上にはペガスス座が翼を広げ、東の地平線からは青白く小さな星の集まりの昴(すばる)が冬の星空を連れて昇ってきます。雪の季節はもうすぐです。
2月になるとオホーツク海には流氷がやってきます。岸辺までが全て流氷で覆い尽くされる日もある一方で、風向きが変わると一晩で水平線の彼方まで遠ざかり、全く見えない時もあるようです。旅人にとって流氷は、運次第の出会いなのかもしれません。
北海道の晩秋の色彩風景と真冬の白銀世界を巡る旅のはじまりです。さぁ、旅に出掛けましょう!

VR映像仕様

映像解像度 映像タイプ 音声 時間 ライセンス
4K 8K 12K 16K 2D 3D 2ch 10:00 
     


晩秋の月夜

地の頭の出ている岬「シレパ」

北海道 釧路町

釧路市から約40km、国道を通り、道道を通り、やがて細い道となり、最後は未舗装の砂利道に変わり、その終点にこの岬がある。 厳冬と強風のために大きな木が生育することがなく、そこは一面の草原となっている。 だれかが刈り込んでいるわけでもないのに、草が伸び放題になることもなく、遠目で見るとその表面は滑らかでまるでCGのように感じる。 そのまま海まで続いていいそうな雰囲気もあるが、突端は絶壁である。

年老いた沼「オンネトー」

北海道 足寄町

この湖は、雌阿寒岳の噴火により川の流れが堰き止められたことで出来上がった堰止湖である。標高639mにあり、雌阿寒岳と阿寒富士が目前に迫る。 陽射し加減や天候によってその湖面の色が刻々と変化することから「五色沼」とも呼ばれている。

茅を刈るところ「キタプ」

北海道 浜中町

元々は茅を刈っていた所から名が付いた場所だが、海霧に包まれることが非常に多いために、当て字で霧多布と呼ばれるようになった。 近くには、国内で5番目の広さを持つ霧多布湿原があり、6月から9月にかけて色とりどりの花々に包まれる。

乾く川「サッペッ」

北海道 音別町

海辺の近くの湿地帯を突っ切るように根室本線が通っている。その光景を見下ろすように小さな丘がある。 特に案内の看板があるわけでもなく、目立たず地味な場所ではあるが、そこから見ることができる景色は、絶景である。 ここは、四季折々に素晴らしい一瞬を提供してくれる場所に違いない。

不動の山「アカン」

北海道 阿寒町

雄阿寒岳や阿寒湖があり、特に阿寒湖は毬藻(まりも)で有名である。きれいな球体になることから特別天然記念物に指定されている。

裸の山「アトサヌプリ」

北海道 弟子屈町

噴気活動が活発で、至る所から火山ガスや水蒸気が湧き上がっている。それら噴気孔の周辺は、硫黄成分のために黄色味になっている箇所も多い。 この硫黄成分のために土壌は酸性化し、ほとんどの植物は生育することができない。そのため、岩肌が露出し「裸の山」と呼ばれるようになった所以である。

山の神の湖「カムイトー」

北海道 弟子屈町

極めて高い透明度をもつこの湖には、流れ入る川もなければ、流れ出る川もない、大きな水溜りである。 昔は景勝地としての存在は知られていても、この場所を訪れる人は多くはなかったが、昭和の流行歌の影響で一気に知名度が上がった。霧の摩周湖である。 霧が外輪山を越えてカルデラに溜まり、湖面は覆われる。

温泉の沼「ユートー」

北海道 豊頃町

太平洋に沿うようにある大きな汽水湖である。滑走路のような道を隔てて、右側が湧洞沼、左側が太平洋という漢字である。 名前の由来の通りに、いまでもどこかで温泉や冷泉が湧いている場所があるのかもしれない。

新しい村「アシリコタン」

北海道 別海町

風蓮湖とオホーツク海の間に、触覚のように細く伸びる部分がある。そこに走る道をひたすら走り続けると、その先端に到達する。 海抜0メートルの湿地で、人工的なものは見当たらない。しかしながら、動物たちにとっては楽園である。越冬のために白鳥が飛来し、エゾシカもここで越冬するために集まってくる。 風蓮湖一帯はラムサール条約にも登録されている。



白銀の月夜

突き抜ける川「エクナペッシ」

北海道 斜里町

1月末から2月にかけて、北の水平線より流氷が押し寄せてくる。オホーツク海は流氷が着岸できる北半球における南限にあたるらしい。 北海道沿岸から流氷が確認できたそのシーズンの最初の日を「流氷初日」といい、接岸した初日を「流氷接岸初日」という。 風向きによって近くまで来たり遠ざかったりを繰り返しているが、地球環境の変動に伴い海が流氷で覆われる日数は年々少なくなってきているらしい。

岬の場所「ノッオロ」

北海道 網走市

オホーツク海に少し突き出したようにある岬には、白と黒に塗り分けられた六角形の灯台が海の安全を見守っている。 もちろん、ここにも流氷は流れ着き、日によっては周りの海が全て流氷に覆い尽くされることもある。

葦の生えた湿原「サル」

北海道 斜里町

海に近づくに連れて土地は平らになり、見渡す限りの牧草地が広がっている。道はどこまでも真っ直ぐではあるが、大地に元々あった緩やかな起伏が、絶妙な遠近感を演出してくれる。 今は雪に覆われた牧草地が銀世界と変わり、その向こうに斜里岳が見えている。

沼の水が流れ出る口「クッチャラ」

北海道 弟子屈町

雪に深く覆われると地形の雰囲気も変わる。低い草木は完全に雪に埋もれ、高い木だけが雪原に生えているように見える。 湖も完全に凍結し、その上に雪が降り積もるからどこまでも白い世界が続いているように思えてくる。

眠っている沼「モコルト」

北海道 網走市

オホーツク海のに面する海岸に流氷が押し寄せ、見渡す限り水平線の向こうまで氷に閉ざされた。 どこまでが陸で、どこからが海なのかは全くわからない。昔は、この流氷の大地を渡って、知床との間を最短距離で往来していたらしい。