《星空の国》

世界でいちばん星空に近い町と称されるニュージーランドの南島にある小さな町「テカポ」へ旅してみませんか?
そこは空を遮るものが何も無い、湖と青い空が広がる美しい町。住んだ空気のせいで真冬でも強い日差しで日焼けしそうです。やがて、陽が西に傾き夕方になると、遠くの山々に積もった雪が茜色に染まってゆきます。陽が沈み1時間が経つと、そこはもう星空の世界。地平線ギリギリまで続く満天の星が、あたかも宇宙空間にいるような錯覚にさえ陥ります。
テカポは南半球の高緯度に位置する町ですので、見える星空も日本から見える星空とはだいぶ違うようです。見たことも無い星座たちが夜空を覆います。日本からはほとんど見ることができない南十字星も、ここでは地平線に沈むこと無く、一年中見ることが出来るのです。美しいニュージーランドの風景の上で星々の輝き、冬の長い夜の空を彩ります。
さぁ、旅に出掛けましょう!

VR映像仕様

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世界一の星空の町



ニュージーランド南島・カンタベリー地方

日本から飛行機で約14時間、途中オークランド(北島)で乗り継ぎをし、この地方の最大の都市クライストチャーチに到着します。市街地を抜けると広大な平原が現れ、ニュージーランドらしい風景がどこまでも続きます。 降水量は日本より少なく、高緯度の割に温暖ですが、一日の中での寒暖差が大きいのと比較的乾燥が強い印象です。晴れる日は多いですが、一度天気が崩れると、しばらく(数日~1週間くらい)ぐずついた日が続くようです。

テカポの湖と町

クライストチャーチから平原を貫く国道を走ること約3時間、青緑色に輝く大きな湖が見えてきます。それがテカポ湖です。湖畔には小さな町があり、この美しい風景を求めて、世界中から観光客が訪れます。 テカポ湖はマッケンジー盆地の北端に位置する湖の一つで、この他にプカキ湖とオハウ湖という湖が並んでいます。どの湖もサザンアルプス山脈に水源を持ち、常に豊富な水に満ちています。 この豊かな水資源は、運河によって周辺の牧草地や水力発電所に供給され活用されています。
テカポ湖畔には、おそらくニュージーランドで最もインスタ映えするであろう風景があります。「善き羊飼いの教会」、この石造りの小さな教会と風景を写真に収めるため、昼夜問わず誰かしらがカメラを構えています。
町には、ホテル・コテージ・ホリデーパークがたくさんあり、予算に合わせて選ぶことが出来ます。また、レストランやスーパーもあるので、こちらも予算やスタイルに合わせた食事を楽しむことが出来ます。 また、日本食レストラン「湖畔」は、日本人スタッフも多く日本語が通じます。 ツアーの食事とバッティングすると早々に満席になってしまうので、どうしても日本食が食べたい場合は予約をしておいた方が良さそうです。テイクアウトもできるので便利です。

サザンアルプス山脈

ニュージーランドの南島を形作る「背骨」にあたる山脈で、ユネスコ世界自然遺産に登録されたアオラキ/マウント・クック国立公園を含む険しい山々が連なります。 カンタベリー地方のどこからでも地平線の先に見ることが出来る山脈ですが、湖周辺まで来ると、穏やかな水面に映り込む姿を見ることができます。
国道から外れてテカポ湖沿いに未舗装の道を車で数十km走らせると、山岳エリアにより一層近づきます。ここまで来る観光客は無く、360度ニュージーランドの風景を独占することができます。 平原から突然始まる山岳エリアの風景は、氷河により鋭く削られた結果なのでしょうか、日本ではまず見ることが出来ない風景のひとつでしょう。
プカキ湖沿いの道は良く整備されています。先にはマウント・クックがあり、登山やハイキング・キャンプなど、観光客で賑わっています。このエリアも、車を走らせていると山が迫って来て、山岳エリアに突入したことに気付きます。

南島の道路事情

基本的に道路網は単純です。カーナビは必要なく、スマホで時々確認すれば問題ありません。国道などの幹線道路、市街地の道路は極めて良く整備されており、快適なドライブが楽しめます。 車線は日本と同じ左側通行、レンタカーも圧倒的に日本車が多く、表記もkmなので全く違和感はありません。
日本と大きく異なる部分は、ラウンドアバウトが非常に多いです。特に市街地の小規模な交差点は大抵ラウンドアバウトです。 慣れるまでは合流するタイミングを掴むことが難しく感じますが、きちんと一時停止をして、車が来ないことを確認して進入すれば問題ありません。郊外では制限速度100km/hでも、市街地では50km/hに厳しく設定されています。 また、POLICEも見張っているので、スピードを出さず安全第一、人優先で運転しましょう。(スピード違反と人優先は厳しく取り締まっているようなので気をつけましょう) 逆に制限速度100km/hの所で60km/h程度で走るのも危険です。100~110の速度でクルーズしている車が大多数なので、長時間の高速運転に自信が無い人は要注意です。 大都市部意外では、基本的に対面通行で、数kmおきに追い越し箇所があります。 わりとPOLICEが多いのと、ねずみ取りカメラが随所に設置されてる(と地元の人も言っていたので)無難な運転を心がけましょう。テレビでも「スピード出し過ぎて事故ったら死ぬよ?」的なCMを常に流しています。高速走行しやすい環境ですが、気をつけましょう。
日本のように、どんな山奥に行っても人家があるという訳では無いので、主要道路から外れると突然未舗装になっていることが多いです。未舗装の道を行ったところで、大抵その先には何もないです。
冬期の道路状況ですが、カンタベリー地方に限れば、道路に積雪するようなことは滅多に無いとの事です。ですので、レンタカーは常にノーマルタイヤを履いています。 スキーや冬山登山などで、真冬の山岳エリアに突入するような場合は、チェーンを借りておくほうが良いでしょう。
ガソリンは、GasではなくPetrolと言います。ほとんどがセルフ式で、併設しているキオスクで精算する方式です。日本で言うレギュラーは「91(ナイン・ワン)」と言い、リッター単価は日本よりちょっと高めです。 確かに高めですが、幹線道路が半分高速道路の様な感じで、時速100kmで無料(一部有料あり)でどこまでも行けるので、日本での高い高速料金払って移動する距離と比較すると、ほぼ同じくらいになるのではないかという印象です。 どんな小さな町にも1カ所はPetrol Stationがあります。ただ、町と町の間の距離がけっこう離れているので、適宜満タンにしておく方が安心できます。



テカポ湖と南十字星



南半球の夜空

テカポは南緯44度に位置し、日本に置き換えると北海道の稚内に相当します。高緯度に位置しているため、冬の時期は11~12時間に及ぶ夜が続く一方、夏場は完全な夜の時間は4~5時間ほどしかありません。 天の川の中心部が天高く昇る季節も冬なので、星空を堪能したい場合は冬(5月~9月)に訪れるのが良いでしょう。
テカポのような南半球高緯度では、夜空の大半が日本で見ることが出来ないor見ることが難しい星座で占められていて、驚きます。また、見慣れた星座も逆さまになって昇ってきます。 南半球を訪れて見逃せないのが南十字星。日本からも最南端の八重山諸島まで行けば、水平線ギリギリに上がる南十字星を見ることが出来ますが、有名な割になかなか見ることが難しい星座です。 しかしながらテカポの夜空で南十字星が沈むことはありません。どの季節でも南十字星を見ることが出来るのです。
南半球の星空でもうひとつ特徴的な存在は、大小マゼラン星雲です。大マゼラン星雲の大きさはかなり大きく、一見すると空に浮かんでいる雲のように感じますが、雲のように流れないので星の集まりであることが分かります。

星空保護区と世界遺産

ニュージーランド南島は人口密度が極めて低く、都市部を出れば市街地近郊でも天の川が見えるほどの環境です。その中でも、テカポ周辺は2012年に星空保護区(ダーク・スカイ・リザーブ)に認定されるほど、星空の環境が保護されています。 近郊に市街地がなく、盆地に位置しているので、光害が極めて少なく、地平線ギリギリまで星空が続きます。この星空保護エリアは極めて広く、テカポに限らず、至る所で満天の星を見ることが出来ます。
星空の素性は、極めてナチュラルな星空という印象です。空気が綺麗な上、標高700m程度の内陸に位置しているため、妙にギラギラすることもなく、良好です。 そして、テカポは星空での世界遺産登録を目指しているようです。先に世界自然遺産に登録されたアオラキ/マウント・クック国立公園も同保護区内にあるので、近い将来に併せて認定される可能性は高いかもしれません。

天の南極の見つけ方

赤道儀等を持ち込んで精密な星空の撮影をするには、天の南極の導入が必要になってきます。北天であれば北極星が指標になるので比較的容易ですが、南天にはそれに相当する明るい星がありません。 八分儀座エリアにある特定の星の配置を基準に導入するのですが、慣れれば案外簡単に導入できるようになります。 この星の配置は肉眼ではほとんど判別できないので、導入に当たっては視野の広く明るい双眼鏡があったほうが便利です。
具体的な導入手順は他サイトに譲りますが、小マゼラン雲から追っていく方法が一番分かりやすいと思います。最終的に極軸望遠鏡で4つの星の並びから合わせ込むので、きちんと導入できれば追尾精度は極めて良好な状態を維持できます。